医療関係者

補遺(入院患者における抗微生物薬適正使用編)

目次

本編参考箇所

別冊参考箇所

引用文献

本編参考箇所
p.115
13. 入院患者の感染症に対する基本的な考え方>(1) 診断・治療のプロセス>(v) 抗菌薬の選択の適正化>①治療効果と培養結果判定のタイミング

経験的治療における不適切投与のエビデンス

経験的治療では、どの細菌が患者に感染しているのか、あるいは患者が実際に細菌感染しているのかさえも正確に把握できないまま治療が開始されることがある1。臨床現場では、抗菌薬が不要な病態に投与されていることや、抗菌薬がその病態に対して不適切なこともある。入院患者に対して20%程度の抗菌薬は不必要であったという報告2や30%の抗菌薬が不適切であるという報告3、そして、日本からも入院患者に投与された40%近くの抗菌薬が何かしら不適切であったという報告4がある。

本編参考箇所
p.117-118
13. 入院患者の感染症に対する基本的な考え方>(1) 診断・治療のプロセス>(vi) 感染症の治療期間>①入院中によく遭遇する感染症の一般的な治療期間と近年の動向

よく遭遇する感染症の治療期間と最近の動向(留意点を含む)

感染症 標準的な
治療期間
短期治療期間 留意点 文献
VAPを含む院内肺炎 14-15日間 7-8日間 緑膿菌によるVAPのRCT:8日間治療は15日間治療に対し非劣性を示せず 重症例や免疫抑制患者、ブドウ球菌や耐性菌が原因等の状況では、短期治療の適応とならない場合もある 5,6
女性の非複雑性膀胱炎 3(-7日間) ST合剤やフルオロキノロン系抗菌薬であれば3日間、アモキシシリン・クラブラン酸等β-ラクタム系抗菌薬であれば3-7日間。アミノグリコシド系抗菌薬であれば単回投与 7
女性の非複雑性腎盂腎炎 10-14日間 5-7日間 短期治療のエビデンスはフルオロキノロン系抗菌薬によるものが多い
大腸菌でフルオロキノロン系抗菌薬・ST合剤の感受性率低下
非複雑性グラム陰性菌菌血症と重複があり、β-ラクタム系抗菌薬による7日間治療も有効性を期待できる可能性
7
男性の有熱性UTI 14日間 前立腺炎:3-4週間治療を推奨する専門家もいる
7日間の短期治療はRCTで14日間に劣性と報告
8
CAUTI 7-14日間 非重症例でレボフロキサシン治療なら5日間
静注β-ラクタム系抗菌薬もしくはバイオアベイラビリティの優れた経口抗菌薬なら菌血症合併でも7日間も考慮
大腸菌でフルオロキノロン系抗菌薬・ST合剤の感受性率低下
プロペンシティ・スコア・マッチングを用いた後ろ向き研究において、CA-UTIを含む、菌血症を伴う複雑性UTIにおいて、静注β-ラクタム系抗菌薬による治療で完遂する、もしくはバイオアベイラビリティに優れた経口抗菌薬で治療可能であれば、7日間治療が14日間治療と同等な可能性が示唆、それ以外の場合は10日間治療が必要と示唆
9,10
蜂窩織炎 10日間 5-6日間 壊死性筋膜炎や皮下膿瘍は一般的に外科的介入が必要
重症例のRCTでは6日治療群で12日治療群と比較し90日後の再燃が有意に多かったと報告
11,12
非複雑性CRBSI CNS:5-7日間
腸球菌

グラム陰性菌:
7-14日間
黄色ブドウ球菌

カンジダ:血液培養陰性化から最低14日間
いずれも72時間以内の解熱と血液培養の陰性化、カテーテルの抜去及び感染性心内膜炎及び化膿性血栓性静脈炎がないことが前提

黄色ブドウ球菌については4週間の治療が基本だが、上記の前提に加えて糖尿病や免疫不全がないこと、血管内人工物がなく、播種性病変を疑う所見がない、のすべてを満たす場合に血液培養陰性化から14日間に短縮できる可能性がある
13,14
急性胆嚢炎 7-14日間 軽症〜中等症:
胆嚢摘出後24時間

重症:
胆嚢摘出後4-7日間
ただし、腸球菌や連鎖球菌等グラム陽性菌の菌血症を合併している場合には14日間以上の治療が推奨
軽症の場合も術中に胆嚢壊死や気腫性変化があれば4-7日間治療を推奨
15
急性化膿性胆管炎 4-7日間 3-5日間 観察研究・小規模なRCTで短期治療(3-5日間)は長期治療に劣らない可能性が示唆され、現在RCTが進行中 15-17
消化管穿孔による腹膜炎 10-15日間 4-8日間 手術等によりソースコントロールが良好にできている場合に短期治療が考慮される
ソースコントロールが不十分な場合にはより重症度、治療による血行動態や症状所見の変化、画像評価の結果等から総合治療期間を決定する
免疫不全のある症例や重症例、血液培養陽性の場合に短期治療が適用できるかのデータは不十分
18,19
ドレナージが十分になされた術後腹腔内感染症 10-15日間 4-8日間 手術等によりソースコントロールが良好にできている場合
免疫不全のある症例や重症例、血液培養陽性の場合に短期治療が適用できるかのデータは不十分
18,19
ドレナージが十分ではない術後腹腔内感染症 症例ごとに検討が必要 はっきりしていない 重症度、治療による血行動態や症状所見の変化、画像評価の結果等から総合的に治療期間を決定する
非複雑性黄色ブドウ球菌菌血症 血液培養陰性化から28-42日間 血液培養陰性化から14日間 別冊 1. (1) 黄色ブドウ球菌 治療③の項目の条件をすべて満たす場合に短期治療が適応となる可能性がある 20
非複雑性グラム陰性菌菌血症(腸内細菌目細菌) 10-14日間 7日間 複数のRCTとメタアナリシスで7日間の治療で14日間と比較し非劣性と報告 21-24
非複雑性グラム陰性菌菌血症(ブドウ糖非発酵菌[例:緑膿菌やアシネトバクター等]) 11-15日間 あるいは 11-21日間 6-11日間 緑膿菌による非複雑性菌血症に関する後ろ向き研究では、短期治療が長期治療に劣らない可能性が示唆
緑膿菌菌血症に対してはRCTが進行中
25-27

本編参考箇所
p.120
13. 入院患者の感染症に対する基本的な考え方>(1) 診断・治療のプロセス>(vi) 感染症の治療期間>②治療期間の考え方と注意点>B) 短期治療を適用するための条件

グラム陰性菌菌血症における短期治療のエビデンスの補足

グラム陰性菌の短期治療(7日間治療)では、抗菌薬終了の48時間前までに解熱し血行動態が安定していることが条件となっている28。さらに、グラム陰性菌に対し統一された「非複雑性」菌血症の定義がなく、RCTでは重度の免疫不全症例、複数菌による菌血症、膿瘍や感染性心内膜炎は共通して除外され、試験によっては肺炎症例も除外されている21,23,24

本編参考箇所
p.123
13. 入院患者の感染症に対する基本的な考え方>(2) マネジメント>(i) 感染症が改善しない場合の考え方>B) 感染症が改善しない場合の鑑別

感染症が改善しない場合の原因に関するエビデンス

免疫不全のない市中肺炎を対象とした検討では29、1,383例のうち238例(18%)で抗微生物薬治療開始48-72時間後に解熱が得られなかったが、多くは抗微生物薬の変更をせずに治療可能で、81例(6%)においてのみ、抗微生物薬の変更や胸腔ドレーン挿入等の治療介入が必要であった(早期治療不応例)。この81例の早期治療不応例の内訳は、適切な抗微生物薬治療にも関わらず肺炎や敗血症が進行したのが最多で(54例、67%)、次いで膿胸(18例、22%)であった。さらに、早期治療不応例で原因微生物が判明した52例において、不適切な抗微生物薬治療に起因したものは、16例(31%)で、そのうち薬剤耐性によるものは1例のみで、レジオネラ等の非定型肺炎や結核が12例を占めた。また、ICUにおける肺炎71例の検討では、44例(62%)で治療不応と判定され、治療不応の原因は、不適切な抗微生物薬治療が23%、カンジダ血症やカテーテル感染等の肺炎以外の感染症合併が16%、別の微生物による細菌性肺炎の合併が14%、膿胸合併が14%、非感染性の原因が15%で、36%で原因が同定できなかった30。ただし、これらには比較的古い文献的報告も含まれ、現在と薬剤耐性菌の疫学が異なる可能性があることに留意する必要がある。
肺炎以外では、市中発症の女性における非複雑性急性腎盂腎炎843例の検討においては、29%で72時間以内に解熱が得られなかった。これらの症例では腎膿瘍合併例・菌血症合併例が有意に多い一方、不適切な抗微生物薬選択は有意な関連が認められなかった31。また、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌によるCRBSIに関する検討では、16%の症例でカテーテル抜去後48時間に改善が得られず、うち83%が化膿性静脈血栓、7%に膿瘍を合併していた32

別冊参考箇所
p.5
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(1) 黄色ブドウ球菌(MRSA[メチシリン耐性黄色ブドウ球菌]を含む)

表1. 黄色ブドウ球菌菌血症に用いられる抗黄色ブドウ球菌薬

添付文書での上限はセファゾリン5 g/日、ダプトマイシン6 mg/kgとなっている。セファゾリンについては、社会保険診療報酬支払基金の診療情報提供事例において、原則として、「セファゾリンナトリウム水和物【注射薬】を「現行の適応症の重症例」に対し「1回2 gを8時間毎、静脈内に投与」した場合、当該使用事例を審査上認める」ことが示されている。

別冊参考箇所
p.6
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(2) 腸球菌(VRE[バンコマイシン耐性腸球菌]を含む)>微生物学的特徴と診断

耐性型による耐性度や各グリコペプチド系抗菌薬への感受性

VanA型、VanB型、VanD型、VanM型では高度耐性となる。VanA型は通常バンコマイシン、テイコプラニンに高度耐性を示し、VanB型はバンコマイシンに高度耐性を示すがテイコプラニンに感性を示す。VanC型は、バンコマイシンに低度耐性、テイコプラニンに感性を示す。

別冊参考箇所
p.6-7
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(2) 腸球菌(VRE[バンコマイシン耐性腸球菌]を含む)>治療方針

ダプトマイシンに関するエビデンス

VRE菌血症、特に感染性心内膜炎に対しては耐性誘導の懸念等から高用量(8-12 mg/kg)での使用の推奨もあるが、適応外の用量となるため個別の慎重な判断や各医療機関において使用に際し必要な手続きを行う必要がある33-35。実臨床でのデータは少ないが、ダプトマイシンをβ-ラクタム系抗菌薬(アンピシリン等)やアミノグリコシド系抗菌薬、チゲサイクリン等他剤と併用することでVREに対する抗菌活性が増強するといわれている36。特にダプトマイシンの最小発育阻止濃度(MIC)が3-4 μg/mLに上昇している場合、単剤でVRE菌血症治療を行うと、MICが低い群と比べて微生物学的治療失敗が多いとの報告があり1,37、特に感染性心内膜炎等ではアンピシリン等他剤との併用が勧められる。

表2. VRE血流感染症の単剤治療の例(感染性心内膜炎を除く)

アンピシリンの添付文書では「アンピシリンとして、通常、成人には1日量1-4 g(力価)を1-2回に分けて輸液100-500 mLに溶解し1-2時間かけて静脈内に点滴注射する。敗血症、感染性心内膜炎、化膿性髄膜炎については、一般に通常用量より大量を使用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」とされており、審査情報提供事例では、『原則として、「アンピシリンナトリウム【注射薬】」を「細菌性髄膜炎」に対して「1回2 gを4時間毎、静脈内に投与」した場合、当該使用事例を審査上認める。』と記載されている。
ダプトマイシンの添付文書では、適応菌種は「ダプトマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」となっており、敗血症、感染性心内膜炎の場合は、「通常、成人にはダプトマイシンとして1日1回6 mg/kgを24時間毎に30分かけて点滴静注又は緩徐に静脈内注射する。」と記載されている。

別冊参考箇所
p.8
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(3) 腸内細菌目細菌>(i) 概要

表2. 腸内細菌目細菌の例38

目(Order) 科(Family) 属(Genus) 主な種(Species)の例
腸内細菌目細菌
Enterobacterales
腸内細菌科(Enterobacteriaceae
Escherichia 大腸菌(E. coli
Klebsiella 肺炎桿菌(K. pneumoniae)、K. oxytocaK. aerogenes
Enterobacter E. cloacae
CitrobacterSalmonellaShigella C. freundii
Morganellaceae Proteus P. mirabilisP. vulgaris
Morganella M. morganii
Providencia P. rettgeriP. stuartii
Yersiniaceae Serratia S. marcescens
Yersinia
ErwiniaceaeBudviciaceaeHafniaceaePectobacteriaceae

別冊参考箇所
p.9-10
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(3) 腸内細菌目細菌>(ii) ESBL(基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ)産生腸内細菌目細菌>治療方針

治療薬に関する既存のエビデンス

タゾバクタム/ピペラシリンは海外でのランダム化比較試験(MERINO試験)の結果、ESBL産生大腸菌(n=328、86%)もしくは肺炎桿菌(n=51、13%)による血流感染症に対し、カルバペネムに対する非劣性が証明されなかった39。このため、タゾバクタム/ピペラシリンはESBL産生菌の血流感染症患者について、一般的に使用は推奨されない40。しかし、MERINO試験に含まれたESBL産生菌のうち、ESBL以外のβ-ラクタマーゼ(OXA-1)産生する株が7割近くに上ったことが判明しており、これがタゾバクタム/ピペラシリンへの有効性にマイナスの影響を与えた可能性も考察されている。日本国内の過去の検討ではESBL産生大腸菌のうち、OXA-1産生株の頻度は遥かに低いとされている41。また、MERINO試験においても尿路由来の血流感染症のサブグループやタゾバクタム/ピペラシリンのMICが16 µg/mLを超える症例を除いたサブグループ解析ではいずれもメロペネムとの有効性(30日致命率)の有意差は認められなかったことから42、既に改善傾向を示している尿路感染症やドレナージのされた肝胆道系疾患の症例等では必ずしも全例をカルバペネム系抗菌薬に変更する必要はないが、症例ごとに慎重な判断が求められる。 セファマイシン系やオキサセフェム系抗菌薬はESBL産生大腸菌に対する血流感染症に対して過去の観察研究ではカルバペネム系抗菌薬に対する非劣性が示されている43。しかし、血液悪性腫瘍患者や好中球減少者は解析から除外されていることから、これらへの患者への有効性は不明であり使用を避けるのが望ましい。特にESBL産生大腸菌による尿路感染症においては多施設観察研究でも非劣性が確認されている44。現在、ESBL産生大腸菌による血流感染症を対象にしたセフメタゾールとカルバペネム系抗菌薬のRCTが施行中である45。なお、大腸菌のセフメタゾールのMICが16 µg/mL以上の場合、セフメタゾールが無効なAmpC産生菌の頻度が増えるという国内報告があり、注意を要する46。また、大腸菌以外のESBL産生菌に関してはセフメタゾールの臨床的有効性を示すデータはこれまでのところ乏しい。

表3. ESBL産生腸内細菌目細菌感染症の治療例

レボフロキサシンの国内添付文書上の上限は、経口投与の場合と点滴静注の場合ともに500 mg/回 1日1回となっている。ST合剤(錠剤)の国内添付文書上の一般感染症への治療用量は1日4錠(2錠/回、1日2回)となっている。ST合剤の点滴静注の場合、適応症はニューモシスチス肺炎のみとなっている。

別冊参考箇所
p.11
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(3) 腸内細菌目細菌>(iii) AmpC産生腸内細菌目細菌>微生物学的診断

プラスミド性AmpC産生菌とESBLの鑑別法に関して

セフメタゾールの場合にはMIC≥16 µg/mL、フロモキセフではMIC≥4 µg/mLをプラスミド性AmpC産生のスクリーニング基準とすると最もESBLとの鑑別能が高くなるとする国内からの報告があり46、セフメタゾール非感受性(≥32 µg/mL)を基準とすると、プラスミド性AmpC産生株の半数以上を見逃す可能性がある。

プラスミド性AmpCの確認試験について

確認試験には表現型検査と遺伝子検査がある。表現型検査では、セファマイシン系抗菌薬が加水分解されることによって、あるいはボロン酸やクロキサシリン等のAmpC阻害剤の存在下で第3世代セファロスポリン系抗菌薬の感受性が回復することによってプラスミド性AmpCの存在を推定する。一方でPCR等の遺伝子検査によってプラスミド性AmpC遺伝子の存在を確認することも可能である。

別冊参考箇所
p.11-12
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(3) 腸内細菌目細菌>(iii) AmpC産生腸内細菌目細菌>治療方針

SDDについて

用量依存的感性(susceptible dose dependent: SDD)とは通常用量・用法の抗微生物薬では臨床効果が得られないが、投与量・頻度を増やした場合に臨床効果が期待される感性カテゴリーを指す。47

セフェピムのMICがSDD(4-8 µg/mL)領域にある染色体性AmpC産生菌におけるセフェピムの使用の是非について

台湾で実施されたEnterobacter cloacae菌血症の標的治療においてセフェピムとカルバペネム系抗菌薬を比較した観察研究48では、セフェピムのMICがSDD領域にある場合にセフェピムで治療すると、それがESBL産生株であれば全例死亡(10/10例)したのに対して、非ESBL産生株であれば、死亡例を認めなかった(0/6例)ことが報告されており、米国感染症学会(Infectious Diseases Society of America: IDSA)による多剤耐性グラム陰性桿菌治療ガイダンス40ではこれを引用して、SDD領域の場合にセフェピムの使用を控えることを提案している。一方で、SDD領域であっても、高用量・長時間投与法で使用された場合に、カルバペネム系抗菌薬と比較して予後が劣らなかったとする報告もある49。また、MICがSDD領域にある場合にESBL産生株である頻度は地域によって異なっており、ほとんどESBL産生株が含まれない地域もある50。現時点では、セフェピムのMICがSDD領域にある場合、少なくとも確認試験を実施してESBL産生の可能性を除外してからセフェピムの使用を検討すべきであり、確認試験が実施できないのであれば、セフェピムの使用は慎重に検討する必要がある。

別冊参考箇所
p.13
表4. AmpC産生腸内細菌目細菌感染症の治療例

表3. AmpC産生腸内細菌目細菌感染症の治療例(留意点を含む)

抗菌薬名 推奨投与量 AmpC過剰産生のリスクが 相対的に高い 菌種
E. cloacaeK. aerogenesC. freundii等)
AmpC過剰産生のリスクが 相対的に低いか、リスクの程度が よく分かって いない菌種
S. marcescensM. morganiiP. rettgeriH. alvei等)
留意点
セフトリアキソン 点滴静注 1回1-2 g
12-24時間毎
×
セフェピム(MICが≤2 µg/mL) 点滴静注 1回1-2 g
8時間毎 ¶49,51
MICがSDD領域(4-8 µg/mL)にある場合、表現型検査あるいは遺伝子検査によって、ESBL産生菌でないことを確認する。ESBL産生が確認された場合、セフェピムの使用は控える48。MICがSDD領域であってもESBL非産生であった場合にセフェピムが利用できるかどうかは結論がついていないが、利用する場合は少なくとも最大投与量(2 g 8時間毎)を長時間投与法 (1回あたり3時間かけて投与)で用いることが望ましい49。重症例でも長時間投与法を検討。添付文書上最大4 g/日
タゾバクタム/
ピペラシリン
点滴静注1回4.5 g
6時間毎 ¶52
長時間投与法に十分な臨床的根拠があるわけではないが、グラム陰性桿菌感染症において、長時間投与法と通常投与法を比較した臨床研究のメタ解析(ただし、P. aeruginosa感染症例が最多)では、長時間投与法によって、臨床予後が改善する可能性が示唆されている53。このため1回あたり4時間かけて投与する長時間投与法を検討。 添付文書では疾患ごとに推奨用量が異なり、1回4.5 g 6時間毎の投与は発熱性好中球減少症の場合の用法用量であり、肺炎の場合は症状、病態に応じて1回4.5 g 6時間毎の投与に増量できると記載されている。
メロペネム 点滴静注 1回1 g
8時間毎
過去、第一選択薬と捉えられてきたが、カルバペネム耐性グラム陰性桿菌が臨床を席巻している現在では、カルバペネムを温存する治療戦略の構築が望ましい。従って、他剤で治療可能な場合には極力使用を控える。重症例では1回あたり3時間かけて投与する長時間投与法を検討。
レボフロキサシン 1回500 (-750) mg 24時間毎 点滴静注/経口¶54,55 点滴時間 500 mgの場合は1時間 FDAの添付文書では750 mgの場合 90分以上かけてと記載 経口吸収率が高いため、状態が安定すれば、経口への切り替えを検討できる40。痙攣の発症や重篤な心疾患のある患者におけるQT延長、高齢者における腱断裂に留意する。国内添付文書上の上限は500 mg/回 1日1回
ST合剤 膀胱炎:
<経口投与>
2錠/回(トリメトプリム[80 mg/錠]として160 mg/回)、
1日2回

その他の感染症:
<経口投与>
2-4錠/回(トリメトプリム[80 mg/錠]として4-6 mg/kg/回)、1日2回¶55
<点滴静注>
2-4アンプル(トリメトプリム[80 mg/アンプル]として
4-6 mg/kg/回)を
12時間毎¶
膀胱炎には2アンプル(トリメトプリム[80 mg/アンプル]として160 mg/回)を12時間毎も可能。
経口吸収率が高いため、状態が安定すれば、経口スイッチを検討できる40
皮膚障害、肝障害、血液障害の出現に注意。急性腎障害や電解質異常にも留意。
ニューモシスチス肺炎やS. maltpophilia感染症で推奨される12-15アンプル/日ほどの高用量は要さないため、副作用の頻度も低減できる。
ST合剤の点滴静注は1アンプル(トリメトプリム80 mg)あたり5%ブドウ糖液もしくは生理食塩水125 mL(輸液量に制限がある場合、75 mL)の割合で混合して投与。
ST合剤(経口)国内添付文書上の一般感染症への治療用量は1日4錠(2錠/回、1日2回。点滴静注では適応症はニューモシスチス肺炎のみ。
アミカシン 膀胱炎:
15 mg/kg/回
単回点滴静注

その他の感染症:
初回20 mg/kgで
点滴静注後、
TDM(peak/MIC 8-10、トラフ値 < 5 μg/mL)40
抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン2022を参照56
アミノグリコシド系抗菌薬は非UTIでの臨床実績が乏しく、予後が悪化し腎障害のリスクも上昇する可能性があるため、少なくとも単剤治療は避ける57
アミノグリコシド系抗菌薬の中で最も感受性が維持されやすいのはアミカシンである58ため、ここではアミカシンを取り上げたが、トブラマイシンやゲンタマイシンも感受性が確認できれば同様に利用可能である。
抗菌薬TDM臨床実践ガイドラインではAMK1日単回投与の場合の目標トラフ値 < 4 μg/mLだが56、IDSAによる治療ガイドラインに従って、目標トラフ値 < 5 μg/mLとした40

別冊参考箇所
p.15-17
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(3) 腸内細菌目細菌>(iv) CRE(カルバペネム耐性腸内細菌目細菌)

CRE獲得のリスク因子

CRE獲得(定着/感染いずれも含む)のリスク因子は、海外渡航歴(特に現地での医療曝露や抗菌薬曝露歴)、広域抗菌薬(特に過去3か月以内のカルバペネム系を含む広域なβ-ラクタム系、フルオロキノロン系抗菌薬)の使用歴、濃厚な医療曝露歴(長期入院や施設入所、尿路や血管内カテーテル等医療デバイスの使用、手術や人工呼吸器管理等侵襲的処置歴)、ADL低下、並存疾患が多いこと、等が挙がる59,60。特に日本ではCREに占めるカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(Carbapenemase-producing Enterobacterales: CPE)の頻度は低く、かつCPEの85-90%をIMP型が占めるため、IMP型以外のCPEに関しては海外渡航歴が重要なリスク因子となる。

CRE感染症における併用療法のエビデンス

IDSAによる治療ガイダンス40及び欧州臨床微生物学会(European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases: ESCMID)による多剤耐性グラム陰性桿菌治療ガイドライン61のいずれも、2015年以降に海外で承認されているCeftazidime-Avibactam、Meropenem-Vaborbactam、Cefiderocol及び2023年7月17日時点で日本でも利用可能なレレバクタム/イミペネム/シラスタチンを含む新規β-ラクタム系抗菌薬の感受性が確認され、これらの新薬でCRE感染症を治療する場合、併用療法を支持していない。ただし、日本で頻度の高いIMP型に対してはこれらの新薬の中で、Cefiderocolを除くいずれの薬剤も単剤では活性が期待できないため、まだ併用療法について議論の余地が残されており、ESCMIDによるガイドライン61ではCRE感染症において、これらの新薬が利用できない重症感染症では、既存薬の中から2剤以上の活性のある抗菌薬での治療を条件付きで推奨している。一方で軽症感染症においては、単剤治療を有益性の高い医療行為(good practice statement)として推奨している。
観察研究ではメロペネムのMICが≤ 8µg/mLの場合にはメロペネムを併用レジメンに含むことによって62、特に重症患者63では予後が改善する可能性が示唆されている。カルバペネム耐性グラム陰性桿菌菌血症において、コリスチンとメロペネムの併用療法とコリスチン単剤治療を比較した2つのランダム化比較試験64,65内のCRE菌血症のみでのサブ解析では、症例数が少なく統計学的有意差には至らないものの、数字上は併用療法で死亡率が低下することがいずれの研究でも示されている。ただし、注意が必要なのは、併用療法と単剤治療を比較した各研究において対象となっているCRE感染症はKPC型CPE感染症が大半を占めているという点で、残念ながら、日本で最も頻度の高いIMP型を含むMBL産生CPE感染症において併用療法と単剤治療を比較した研究はない66
また、2014年以降に海外で承認された新規β-ラクタム系抗菌薬に関しては、感受性が確認された場合、単剤でもCREに対して十分な活性が期待できることもあり、ガイドラインでも単剤治療が推奨されているのは前述の通りである。実際、最も使用実績の高いCeftazidime-Avibactamに関しては、CRE感染症においてメタ解析で単剤治療と併用療法で予後に差がないことが示されている67,68。ただし、ここでも含まれるCRE感染症の大半がKPC型CPEあるいはnon-CP-CRE感染症である点には注意が必要である。残念ながら、IMP型を含むMBL産生CPE感染症に関しては、新規β-ラクタム系抗菌薬の中で単剤でも活性が期待できるのはCefiderocolに限られており、MBL産生菌を含むCRE感染症においてCefiderocolを単剤で使用すべきなのか、併用療法で使用すべきなのかという命題については、まだデータがない。ただし、カルバペネム耐性グラム陰性菌による重症感染症を対象として既存薬とCefiderocolを比較した第3相試験では、(併用療法が許容されていたが、実際には)Cefiderocol群の85%は単剤治療であり69、MBL産生株のみを対象としても13/16例(81%)はCefiderocol単剤で治療が行われていた70

Non-CP-CREのカルバペネム耐性機序

カルバペネマーゼを産生しなくとも、AmpCやESBL等の広域β-ラクタマーゼ産生に加えて、β-ラクタム系抗菌薬の外膜透過性を低下させる耐性機序が相加的・相乗的に作用することでカルバペネム系抗菌薬に耐性を示すようになる。日本で検出されるCREの80%以上がこれらの機序によることは前述の通りである。

別冊参考箇所
p.17
表6. カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症の治療例

抗菌薬名 推奨投与量
(肝腎機能正常者)
In vitroでの活性 留意点
Non-
CP-CRE
CPE
(IMP型を想定)
レボフロキサシン AmpC産生腸内細菌目細菌の項を参照 感受性が確認されれば、カルバペネム感受性腸内細菌目細菌感染症と同様の効果が期待できる。経口吸収率も高く、状態が安定すれば経口スイッチを検討する40。国内添付文書上の上限は500 mg/回 1日1回
ST合剤 AmpC産生腸内細菌目細菌の項を参照 感受性が確認されれば、カルバペネム感受性腸内細菌目細菌感染症と同様の効果が期待できる。経口吸収率も高く、状態が安定すれば経口スイッチを検討する40
ST合剤(経口)国内添付文書上の一般感染症への治療用量は1日4錠(2錠/回、1日2回)。点滴静注では適応症はニューモシスチス肺炎のみ。
アミカシン AmpC産生腸内細菌目細菌の項を参照 アミノグリコシド系抗菌薬は非UTIでの臨床実績が乏しく、予後が悪化し腎障害のリスクも上昇する可能性があるため、少なくとも単剤治療は避ける57
アミノグリコシド系抗菌薬の中で最も感受性が維持されやすいのはアミカシンである71ため、ここではアミカシンを取り上げたが、トブラマイシンやゲンタマイシンも感受性が確認できれば同様に利用可能である。
コリスチン 点滴静注900万単位(300 mgに相当)を負荷投与後、 1回450万単位(150 mgに相当)
12時間毎 ¶ 国内添付文書では 1回1.25-2.5 mg/kgを1日2回、30分以上かけて点滴静注
毒性と神経毒性の2大有害事象のために、1980年代に市場から衰退した薬剤であるが、2000年代に入り、コリスチンしか活性が期待できない多剤耐性グラム陰性桿菌感染症が出現したために、最後の砦(last resort)として、2015年に再承認された背景がある。
同じポリペプチド系であるpolymyxin Bと比較して血中濃度が不安定で、腎毒性のリスクも高い72。また、ポリペプチド系は肺移行性が悪く、気道感染症においては、全身投与する場合でも吸入療法の併用が望ましい73が、日本では静注投与でしか利用できない。また、添付文書には記載がないが、血中濃度が不安定であることもあり、国際ガイドラインでは、初回投与時は高用量(300mg)のローディングが推奨されている73。 より安全性の高い他剤が選択できる場合には選択すべきではない。
ホスホマイシン 海外推奨量 1回4 g 6時間毎、もしくは1回6 g 8時間毎 点滴静注¶ CRE感染症におけるデータが相対的に乏しく、 また耐性化リスクが高いため、非UTIでは単剤治療は控える74。また、国内添付文書では2-4gが最大投与量であるが、CRE感染症の治療に関する臨床研究において、この投与量での検討は皆無である。ただし、特に高用量で投与する場合にはナトリウム負荷による心不全に注意が必要である75。米国ではホスホマイシンの経口製剤が、耐性グラム陰性桿菌による膀胱炎での治療選択肢となるが、経口製剤は日本ではホスホマイシン・カルシウム、米国ではホスホマイシン・トロメタモールと国内外で製剤が異なっており、日本の製剤は経口吸収率や尿路移行性が低く、臨床実績も乏しいため、耐性グラム陰性桿菌感染症における治療選択肢とならない。
チゲサイクリン 点滴静注初回100-200 mg 単回投与後、1回50-100 mg 12時間毎¶76 添付文書上の用量:100 mg単回投与後、1回50 mgを12時間毎点滴静注 30-60分かけて77 投与後すぐに組織に分布するため安定した血中濃度が得にくく、また尿路移行性が乏しいため、血流感染症とUTIでは、(少なくとも単剤では)治療選択肢とならない40
CRE感染症(特に肺炎)では、1回100 mg 12時間毎の高用量投与が望ましい78
メロペネム 膀胱炎:点滴静注
1回1 g 8時間毎
(1回あたり30分かけて投与)

その他の感染症:
点滴静注1回2 g
8時間毎 ¶65,79
(1回あたり3時間かけて投与する長時間投与法を検討)
添付文書上は化膿性髄膜炎の場合のみ上記用量の適応あり
× メロペネム感受性であってもイミペネムとセフメタゾールの両剤耐性のために感染症法に基づいて届け出られるCREの多くがnon-CP-CREであり、メロペネムへの感受性を維持している。イミペネム非感受性でもメロペネム感受性の場合には、メロペネムの長時間投与法(1回あたり3時間かけて投与)が治療選択肢となる40
CPE感染症では、メロペネム感受性であっても、少なくとも単剤治療は避ける。
レレバクタム/
イミペネム/
シラスタチン
点滴静注1回1.25 g 6時間毎
(1回あたり30分かけて投与)
× non-CP-CRE感染症では、レレバクタム/イミペネム/シラスタチンの感受性が維持される場合が多い80,81。ただし、臨床経験はまだ乏しいため、より臨床実績のある非β-ラクタム系抗菌薬が選択できる場合には選択すべきではない。
室温での安定性に限界があることから、長時間投与法は確立していない。
アズトレオナム 点滴静注1回2 g
8時間毎
(1回あたり3時間かけて投与)¶82
添付文書 1日最大4 gまで
× In vitroでは、アズトレオナムはIMP型を含むMBLに対して活性を有する。ただし、CPEの多くはカルバペネマーゼと共にESBL等別の広域β-ラクタマーゼを共産生するため、それらによってアズトレオナムは加水分解されてしまい、結果的に耐性を示すことが多い。
レレバクタム/イミペネム/シラスタチンをアズトレオナムと併用することで、レレバクタム/イミペネム/シラスタチンによって(CPEが共産生する)ESBL等の広域β-ラクタマーゼを阻害し、アズトレオナムが加水分解されることを回避し、その活性をMBLに発揮させることが理論上は成立し、またin vitroのデータではNDM型MBLを中心に併用によるMBLの阻害効果が報告されている83,84が、まだ臨床実績がない(IDSAによる治療ガイダンスでは Ceftazidime-Avibactamとの3時間かけた長時間投与法での 併用療法が推奨されているが現時点で日本では利用できない)。
アズトレオナムの添付文書上の最大投与量は2-4 g/日であるが、MBL産生菌感染症において、この投与量での検討は皆無である。
Cefiderocol 点滴静注
1回2 g 8時間毎
(1回あたり3時間かけて投与)
MBLに対して唯一単剤で活性を有する抗菌薬であり、その活性をMBLに温存するために、その他のCPE及びnon-CP-CRE感染症では使用を控える必要がある。
Ceftadizime-
Avibacatam
点滴静注
1回2.5g 8時間毎
(1回あたり3時間かけて投与)
× アズトレオナムと併用することで、Ceftazidime-Avibactamによって(CPEが共産生する)ESBL等の広域β-ラクタマーゼを阻害し、アズトレオナムが加水分解されることを回避し、その活性をMBLに発揮させることが可能となる。

※チゲサイクリン及びコリスチンの使用に当たっては、日本化学療法学会が適正使用に関する指針をそれぞれ公開している85,86

別冊参考箇所
p.21-22
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(4) 緑膿菌

感染症法の定義する薬剤耐性緑膿菌と世界標準でのMDRPとの違い

感染症法の定義する薬剤耐性緑膿菌の耐性と判定されるMICのカットオフ値は、米国臨床検査標準委員会(Clinical and Laboratory Standards Institute: CLSI)の定める判定基準に照らし合わせると、2011年まで利用されていた基準が採用されており、現行の基準87とは異なっている。

緑膿菌のβ-ラクタム系抗菌薬への耐性機序と日本での疫学

緑膿菌がカルバペネム耐性を示す場合には、①カルバペネマーゼの獲得及び産生、②外膜蛋白OprDの欠損/変異による透過性低下、③多剤排出ポンプの過剰産生/変異による細胞質から細胞外への汲み出し、のいずれかの機序が関与する。国内で最も頻度の高いカルバペネマーゼはIMP型であり88、その他、近年ではVIM型89やGES型90も報告されているが、本文に記載した通り、カルバペネム耐性株のうちカルバペネマーゼ産生株は10%未満に過ぎない。

耐性緑膿菌感染症における新規β-ラクタム系抗菌薬のエビデンス

第3相試験までに難治耐性緑膿菌(difficult-to-treat resistant P. aeruginosa: DTR-PA)のような高度耐性緑膿菌が対象症例に含まれることは稀である。これは、対照薬の設定が困難なためである。市販後の耐性緑膿菌感染症を対象としてコリスチンやアミノグリコシド系抗菌薬を軸とした治療群とタゾバクタム/セフトロザン治療群を比較した観察研究(タゾバクタム/セフトロザン群の症例数は82-100例程度)では、いずれの研究においてもタゾバクタム/セフトロザン治療群で臨床的治癒率は上昇し、腎障害の頻度は低下することが示されている91,92。一方で、レレバクタム/イミペネム/シラスタチンに関しては、米国ではあくまでKPC産生菌による感染症の治療薬としての位置づけが大きく、世界的にも耐性緑膿菌感染症における治療経験がまだ少ない93。従って、既存薬(特にコリスチンやアミノグリコシド系抗菌薬)と比較した場合の治療成績や、治療中の耐性化率等のデータは揃っていない。

表5. 薬剤耐性緑膿菌の分類と定義

分類 定義
難治耐性緑膿菌
(difficult-to-treat resistan P. aeruginosa: DTR-PA)
全β-ラクタム系とフルオロキノロン系抗菌薬に非感受性を示す緑膿菌株
世界標準での多剤耐性緑膿菌
(multidrug-resistant P. aeruginosa: MDRP)94
①抗緑膿菌用ペニシリン系抗菌薬とβ-ラクタマーゼ阻害剤の合剤、②抗緑膿菌用セファロスポリン系、③抗緑膿菌用カルバペネム系、④モノバクタム系(アズトレオナム)、⑤抗緑膿菌用フルオロキノロン系、⑥アミノグリコシド系、⑦ホスホマイシン系(ホスホマイシン)、⑧ポリペプチド系の8カテゴリーのうち≥3カテゴリーで非感受性の抗菌薬が存在する菌株
超多剤耐性緑膿菌
(Extensively drug-resistant P. aerugionsa: XDR-PA)
上記の8カテゴリーのうち、全薬剤に感受性が残っているのが≤2カテゴリーの菌株膿菌用フルオロキノロン系、⑥アミノグリコシド系、⑦ホスホマイシン系(ホスホマイシン)、⑧ポリペプチド系の8カテゴリーのうち≥3カテゴリーで非感受性の抗菌薬が存在する菌株
感染症法で定義される薬剤耐性緑膿菌 イミペネムのMIC≥16 µg/mL、
アミカシンのMIC≥32 µg/mL、
シプロフロキサシンのMIC≥4 µg/mLの3つの基準をすべて満たす菌株

別冊参考箇所
p.23
表8. カルバペネム耐性緑膿菌感染症の治療例

表6. カルバペネム耐性緑膿菌感染症の治療例(留意点を含む)40

抗菌薬分類 抗菌薬名 推奨投与量 留意点
既存のβ-ラクタム系 セフタジジム 点滴静注1回2 g 8時間毎 ¶95
重症例では1回あたり3時間かけて投与する長時間投与法を検討
添付文書 1日最大4 gまで
社会保険診療報酬支払基金の診療情報提供事例において『原則として、「セフタジジム水和物【注射薬】」を「発熱性好中球減少症」に対し「1回2 gを8時間毎、静脈内に投与」した場合、当該使用事例を審査上認める。』と記載されている。
既存のβ-ラクタム系(すなわち、タゾバクタム/ピペラシリン、セフタジジム、セフェピム、アズトレオナム)やフルオロキノロン系抗菌薬に感受性が確認された場合、カルバペネム系よりも、より狭域なこれらの薬剤を優先的に選択する。
カルバペネム耐性の場合でも、既存のβ-ラクタム系抗菌薬に感受性が確認できれば、これらの薬剤の高用量・長時間投与法による治療が可能である。ただし、重症の場合や、感染巣のコントロールが不良の場合には、新規β-ラクタム系抗菌薬による治療も考慮される。
アズトレオナムの添付文書上の最大投与量は4 g/日であるが、緑膿菌感染症の治療に関する臨床研究において、この投与量での検討は皆無である。
セフェピム 点滴静注1回1-2 g 8時間毎 注¶51
重症例では1回あたり3時間かけて投与する長時間投与法を検討
添付文書 1日最大4 gまで
ピペラシリン 点滴静注 1回4 g 6時間毎 重症例では1回あたり4時間かけて投与する長時間投与を検討96 添付文書 難治性又は重症感染症には1回4 g(力価)を1日4回
タゾバクタム/
ピペラシリン
点滴静注1回4.5 g 6時間毎 ¶
重症例では1回あたり4時間かけて投与する長時間投与法を検討95,96
添付文書では疾患ごとに推奨用量が異なり、1回4.5 g 6時間毎の投与は発熱性好中球減少症の場合の用法用量であり、肺炎の場合は症状、病態に応じて1回4.5 g 6時間毎の投与に増量できると記載されている。
アズトレオナム 点滴静注1回2 g 8時間毎 ¶97,98 添付文書 1日最大4 gまで 重症例では1回あたり3時間かけて投与する長時間投与法を検討82,99
フルオロキノロン系 レボフロキサシン AmpC産生腸内細菌目細菌の項を参照 シプロフロキサシンがレボフロキサシンよりも耐性化しにくいこと100、またグラム陽性球菌への活性を考慮するとシプロフロキサシンの方がより狭域であることから、緑膿菌単一による感染症において、レボフロキサシンをシプロフロキサシンに優先して選択すべきではない。
シプロフロキサシンの添付文書上の最大投与量は点滴静注でも経口でも600-800 mg/日であるが、緑膿菌感染症の治療に関する臨床研究において、この投与量での検討は極めて限られている。
シプロフロキサシン 膀胱炎:1回400 mg 12時間毎
点滴静注 1時間かけて投与
あるいは、1回500 mg 12時間毎 経口投与¶155

その他の感染症:1回400 mg 8時間毎 点滴静注 1時間かけて投与
あるいは、1回500-750 mg 12時間毎 経口投与¶55
国内添付文書
1回400 mg 12時間毎 点滴静注 1時間かけて投与
患者の状態に応じて8時間毎に増量可
成人の場合、シプロフロキサシン注射薬の添付文書上の適応症は敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、炭疽に限られているが、社会保険診療報酬支払基金の診療情報提供事例において、『シプロフロキサシン【注射薬】』を「膿胸・肺膿瘍・肺化膿症・慢性呼吸器疾患の二次感染」、「好中球減少時の不明熱」、「子宮内感染症」に対して処方した場合、当該使用事例を審査上認める。』としている。シプロフロキサシン錠の添付文書上の用法用量は、1回100-200 mg 8-12時間毎 経口投与(適宜増減)である。
新規β-ラクタム系 タゾバクタム/
セフトロザン
膀胱炎:
点滴静注1回1.5 g 8時間毎(1回あたり1時間かけて投与)

その他の感染症:
点滴静注1回1.5-3 g 8時間毎(1回あたり1時間かけて投与)
PK/PD理論上、特に気道感染症では高用量投与が推奨される101
レレバクタム/
イミペネム/
シラスタチン
点滴静注1回1.25 g 6時間毎 (1回あたり30分かけて投与) 室温での安定性に限界があることから、長時間投与法は確立していない。
アミノグリコシド系 アミカシン AmpC産生腸内細菌目細菌の項を参照 アミノグリコシド系抗菌薬は非UTIでの臨床実績が乏しく、予後が悪化し腎障害のリスクも上昇する可能性があるため、少なくとも単剤治療は避ける57
アミノグリコシド系抗菌薬の中で最も感受性が維持されやすいのはアミカシンである102。一方で最も抗緑膿菌活性が高いのはトブラマイシンである103。従って、感受性が確認できている場合には、トブラマイシンを優先する。
トブラマイシン 膀胱炎:5 mg/kg/回 単回点滴静注

その他の感染症:初回7 mg/kgで
点滴静注後、peak/MIC 8-10、トラフ値 < 1 μg/mLになるよう調整40
抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン2022を参照56
ゲンタマイシン 膀胱炎:5 mg/kg/回 単回点滴静注

その他の感染症:初回7 mg/kgで
点滴静注後、peak/MIC 8-10、トラフ値 < 1 μg/mLになるよう調整40 抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン2022を参照56
ポリペプチド系 コリスチン CREの項参照 コリスチンの有害事象、投与量に関する注意に関しては、CREの項参照のこと。

表7. MDRP、DTR-PAへの各治療薬の有効性

抗菌薬 MDRP DTR-PA
セフタジジム ×
セフェピム ×
タゾバクタム/ピペラシリン ×
アズトレオナム ×
レボフロキサシン ×
シプロフロキサシン ×
タゾバクタム/セフトロザン
レレバクタム/イミペネム/シラスタチン
アミカシン
トブラマイシン
ゲンタマイシン
コリスチン

別冊参考箇所
p.25-26
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(5) その他のグラム陰性桿菌(緑膿菌以外のブドウ糖非発酵菌)>(i) アシネトバクター属(主にAcinetobacter baumannii

アシネトバクター属における薬剤耐性の問題とその機序

A. baumanniiは内因性の薬剤耐性機構を豊富に有し、同時に外因性の薬剤耐性機構を獲得する能力も備える。そのため、世界的に薬剤耐性化が問題となっている104。最も大きな問題はカルバペネム耐性であり、世界保健機関は、新規抗菌薬の研究開発が急がれる薬剤耐性菌の中で、カルバペネム耐性A. baumannii(CRAB)を最も緊急性の高い“critical”に分類している105。2019年の全世界における薬剤耐性菌関連死亡を推定した報告では、A. baumanniiは関連死亡の多い上位6菌種に含まれ、関連死亡は約42万人と推定された106
特に、東南アジア・南アジア諸国、南米諸国、ロシアを含む東欧諸国におけるCRABの広がりが問題となっている106-108。また、欧州・北米でもCRABが問題で、臨床分離株におけるメロペネム感性率は、1997~2000年に欧州で55.7%、北米で88.8%であったが、2013~2016年ではそれぞれ13.7%、54.9%まで悪化したと報告された107
カルバペネム耐性には主にβ-ラクタマーゼ、特にOxacillinase(OXA)が関わり、OXA-23、 -40/24、-51、-58が主要なものと知られる109-111。このうち、OXA-51は通常染色体性に保有しプロモーター活性を有す挿入配列を獲得することにより発現する。一方、OXA-23、-40/24、-5840はプラスミド性に伝播・獲得する。メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)も関与する112。MBLは種を超えて伝播可能で113、カルバペネム耐性が広がる機序の一つとなっている。ペニシリン結合蛋白(PBP)2の変異、細胞外膜のポーリンの減少や排出ポンプが関与することもある112
一方、日本ではCRABならびに多剤耐性アシネトバクター(MDRA)の頻度は諸外国と比べて低い状態が維持されている114。JANIS(Japan Nosocomial Infections Surveillance:院内感染対策サーベイランス事業)による2021年データでは、検出されたAcinetobacter属のメロペネム非感受性率は1.7%、MDRAの分離された医療機関の割合は0.8%であった115。日本のCRABが有すカルバペネマーゼは、獲得型ではOXA-23、IMP、OXA-51の順に多かったと報告されている115

微生物検査に関する留意事項

発生届上の「薬剤耐性」の定義は、広域β-ラクタム系抗菌薬(基準上はカルバペネム系)・アミノ配糖体(アミノグリコシド)・フルオロキノロン系抗菌薬の3系統の薬剤に対して耐性を示す(イミペネムのMIC≥16 µg/mL、アミカシンのMIC≥32 µg/mL、シプロフロキサシンのMIC≥4 µg/mL)ことである116。これらの耐性と判定されるMICのカットオフ値は、CLSIの定める判定基準に照らし合わせると、2011年まで利用されていた基準が採用されており、現行の基準(CLSI. M100-S32)87とは異なっている点には注意を要する117。また、JANISのMDRAの基準では、イミペネム又はメロペネムのMIC≥16 µg/mL、アミカシンのMIC≥32 µg/mL、シプロフロキサシンのMIC≥4µg/mL又はレボフロキサシンのMIC≥8µg/mLと規定されている(厚生労働省院内感染対策サーベイランス:薬剤耐性菌判定基準[ver3.2])118

治療薬に関する既存のエビデンス

テトラサイクリン系抗菌薬、コリスチン

テトラサイクリン系抗菌薬の忍容性は比較的高いものの、速やかに組織移行し分布容積が大きいことにより、血中濃度が上がりにくいことが菌血症を伴う重症感染症に用いる場合の懸念点である119。チゲサイクリンについて、観察研究で治療効果が劣ると報告されている120,121。また、MDRAによる肺炎に対するチゲサイクリンと他の治療を比較したメタアナリシスで、治療成功率や死亡率に差はなかったが、微生物学的効果が有意に劣ったと報告されている122。さらに、CLSI及び欧州抗菌薬感受性試験法検討委員会(European Committee on Antimicrobial Susceptibility Testing: EUCAST)はAcinetobacter属のチゲサイクリンに対する感受性判定のBreakpointを定めていない87,123。そのため、IDSAによる治療ガイダンスではミノサイクリンがより好ましいとしている40。コリスチンは、腎障害の発現頻度が高く治療域が狭いことが懸念点であり124-126、特に高齢者では腎機能の慎重なフォローが求められる126

併用療法

多くのランダム化比較試験(RCT)において単剤治療に対する併用療法の優位性が示せておらず64,65,127-130、例えば、コリスチンとメロペネムの併用については2つのRCTで優位性が認められなかった65。また、優位性の示されたRCTは非盲検で対象患者が39名と比較的少数であった131。さらに、コリスチン(ポリペプチド系抗菌薬)を主軸とした併用療法が用いられることが多いが132、先述のように副作用の懸念が大きく、また、併用療法の適切な組み合わせも明確ではない。

国内未承認薬

国内未承認薬剤では、Cefiderocol133-135やEravacycline136等が有望視されているが十分な臨床データがなく、今後のデータの蓄積が待たれる137,138。Cefiderocolについては、カルバペネム耐性グラム陰性菌感染症に対し、他の治療薬と比較した第3層試験において、Acinetobacterが原因の症例で28日死亡が多かったと報告されており69、ESCMIDによるガイドラインでは、データが少ないため条件付きではあるが推奨していない61

別冊参考箇所
p.27
表10 Acinetobacter属に対する抗菌薬の主な選択肢と注意点

メロペネムの1回2 gを1日3回/日での投与は添付文書では化膿性髄膜炎の場合にのみ適応となっている。
セフェピムの添付文書上限は最大4 g/日である。
スルバクタム/アンピシリンについては、IDSAによる治療ガイダンスでは1日投与量18-27 gと記載されているが40、添付文書上限は最大12 g/日である(ただし、添付文書上の適応菌種にAcinetobacter属は含まれていない)。社会保険診療報酬支払基金の審査情報事例には、『原則として、「スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウム【注射薬】」を「脳膿瘍」に対して「1回3 g- 4.5 gを6時間毎、静脈内に投与」した場合、当該使用事例を審査上認める。』と記載がある。
ミノサイクリンは、IDSAによる治療ガイドラインでは200 mg 12時間毎を推奨しているが40、添付文書上の最大投与量200 mg/日を超える。
チゲサイクリンの添付文書での用法用量は、「通常、成人には、チゲサイクリンとして初回用量100 mgを30-60分かけて点滴静脈内投与、以後12時間毎に50 mgを30-60分かけて点滴静脈内投与する。」である86

別冊参考箇所
p.28-29
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(5) その他のグラム陰性桿菌(緑膿菌以外のブドウ糖非発酵菌)>(ii) ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia

微生物検査に関する留意事項

レボフロキサシン・セフタジジムにおいては、ディスク法やE-test、及び頻用されている薬剤感受性装置において再現性に懸念があることが報告されており144,145、解釈に注意を要す。また、ST合剤以外の薬剤に関しては薬剤感受性結果と治療アウトカムの関連を支持するデータが乏しいことにも留意する必要がある40,146
さらに、S. maltophiliaは近年保険適用となった、多項目遺伝子関連検査、特にマルチプレックスPCR法やマイクロアレイ法による血液培養陽性培養液に対する細菌核酸・薬剤耐性遺伝子同時検出システムにおいて、検出対象となっていない製品もあるため、注意を要する(「Verigene®血液培養グラム陰性菌・薬剤耐性核酸テスト(BC-GN)」、「FilmArray®血液培養パネル」では検出対象外、「BioFire®︎血液培養パネル2」では検出対象に含まれる)。

薬剤耐性の機序

S. maltophiliaは内因性にL1・L2と呼ばれる2種類のβ-ラクタマーゼを保有する139。L1はメタロ-β-ラクタマーゼでカルバペネム系を含む幅広いβ-ラクタム系抗菌薬(アズトレオナムを除く)を分解することが可能で、一方、L2はClass Aに分類されるβ-ラクタマーゼで広域スペクトラムのセファロスポリン系抗菌薬及びアズトレオナムを分解可能である。また、アミノグリコシド系抗菌薬についても内因性に保有する薬剤排泄ポンプ等複数の耐性機構を備えている139。フルオロキノロン系抗菌薬に対しても、薬剤排泄ポンプの過剰発現や変異、薬剤の作用点であるDNA gyrase・トポイソメラーぜ IVを保護するSmqnrの過剰発現等複数の耐性機構をもつ140,141治療の第一選択とされるスルファメトキサゾール/トリメトプリム(ST合剤)に対しても、薬剤排泄ポンプの過剰発現やプラスミドを介したclass I integronによるsul・dfrAの獲得により耐性化することが知られている142,143

治療薬に関する既存のエビデンス

ランダム化比較試験はないものの、上記のように幅広い薬剤に対する内因性の薬剤耐性機構を備えていることと、使用経験の豊富さからST合剤が第一選択とされ、広く使用されている40,146。ST合剤に対する耐性の増加も懸念されるが、259施設が参加し1997~2016年まで実施された国際研究では、ST合剤の感受性耐性率は2001-2004年が97.2%に対して2013-2016年が95.7%と、大きな悪化がなかったことが報告されている107。一方、腎障害や肝障害、輸液負荷や高カリウム血症、骨髄抑制、皮疹といった副作用がST合剤による治療の懸念点として挙げられる>2,139。その他、感受性があればレボフロキサシン等のフルオロキノロン系抗菌薬147-149、ミノサイクリンやチゲサイクリン等のテトラサイクリン系抗菌薬が観察研究でST合剤に劣らない治療成績が示されている150-152
日本未承認薬剤ではCefiderocol135,153、Eravacycline150,154、Ceftazidime/Avibactamとアズトレオナムの併用療法150,155-157が治療の選択肢として有望視されているが、臨床データの十分な蓄積がなく、現時点ではST合剤が第一選択とされている40

別冊参考箇所
p.
1. 入院患者の感染症で問題となる微生物>(6) C. difficile>治療方針

表8. CDIの治療例158-160

薬剤 投与量 留意点
非重症・非劇症例(初回)
フィダキソマイシン 経口投与1回200 mg、
12時間毎、10日間
欧米のガイドラインでは第1選択
治癒率では、バンコマイシンと差がないが、再発率ではバンコマイシンよりも再発率が低いため、日本のガイドラインでは再発リスクが高い症例で推奨されている。
バンコマイシン(910円/500 mg)に比較して薬価は高い(8024円/日:2023年3月現在)
バンコマイシン 経口投与1回125 mg、
6時間毎、10日間
再発リスクが少ない症例では、治癒率はフィダキソマイシンと差がないためコストを考慮すると選択肢となる
メトロニダゾール 経口投与1回500 mg、
8時間毎、10日間
再発リスクがない軽症例には考慮されるが、欧米ガイドラインでは、上記2剤が手に入らない時のレジメンとされている
非重症・非劇症例(初回再発)
フィダキソマイシン 経口投与1回200 mg、
12時間毎、10日間
バンコマイシン 経口投与1回125 mg、
6時間毎、10日間
バンコマイシン パルス・漸減療法 欧米ガイドラインでは記載されている
治療を完遂する困難さがある
治療レジメンの1つを下記に示す(経口投与)
1 回125 mg、1日4回、10-14日間→
1 回125 mg、1日2回、1週間→
1 回125 mg、1日1回、1週間→
1 回125 mg、2-3日に1回、2-8週間
非重症・非劇症例(再々発、難治例)
フィダキソマイシン 経口投与1回200 mg、
12時間毎、10日間
バンコマイシン パルス・漸減療法
重症例
バンコマイシン 経口投与1回125 mg、
6時間毎
フィダキソマイシン 経口投与1回200 mg、
12時間毎、10日間
劇症例
バンコマイシン + メトロニダゾール 経口投与1回500 mg、
6時間毎
+点滴静注1回500 mg、
8時間毎(20分以上かけて点滴静注)、10-14日間
米国のガイドラインではイレウス時は経直腸的にバンコマイシンの投与も記載されているが、ESCMIDによるガイドラインでは静注のメトロニダゾールを追加することをむしろ推奨されていないので選択肢としては議論があるレジメンである。
フィダキソマイシン 経口投与1回200 mg、
12時間毎、10日間
ESCMIDによるガイドラインに記載

抗菌薬の終了が困難な時のCDIの治療について

データが少ないが、以下のような例が提唱されている161
CDI治療薬ではない抗菌薬の数や期間について確認し、リスクの低い抗菌薬に変更する。
可能であればPPI(proton pump inhibitor:プロトンポンプ阻害薬)を中止する。
メトロニダゾールで治療しない(治療失敗や30日死亡率の増加が報告されている)
CDIのリスクの高い薬剤としてはフルオロキノロン系抗菌薬、クリンダマイシン、広域スペクトルペニシリン系抗菌薬及び第2世代以上のセファロスポリン系抗菌薬、カルバペネム系抗菌薬等が報告されている162

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