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海外でのAMR対応

2017年9月
海外でのAMR対応

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 薬剤耐性菌が大きな脅威になると指摘されたのは1980年代のことでした。米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)は抗菌薬適正使用を訴えるキャンペーン(Get Smart About Antibiotics)を1995年に開始しました。この頃から薬剤耐性菌問題は医療機関内だけの問題ではないとの意識が出てきましたが、まだ広く公衆衛生の問題とはとらえられていませんでした。

 21世紀に入ると薬剤耐性菌の増加や集団発生事例の報告が増えてきました。さらに、動物において発生した薬剤耐性菌が人にも影響していることが明らかになり、薬剤耐性菌の影響は広い領域に及ぶことがわかってきました。そのような中、欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and Control:ECDC)が2008年に欧州抗菌薬啓発デーの活動を開始しています。毎年11月18日を啓発デーとし、さまざまなキャンペーンをこの時期に集中させました。この活動は欧州諸国に広がり、米国やオーストラリアなど各国のキャンペーンもこの時期に行われるようになっています。

 薬剤耐性菌が幅広い問題であることに加え、低・中所得国により大きなダメージを与えていることがわかってきました。世界保健機関(World Health Organization:WHO)は2011年の世界保健デーのテーマを薬剤耐性菌対策とし、世界的な対策の必要性を強調しました。その際のキャッチフレーズは"No action today, No cure tomorrow"(今日行動しなければ明日は治せなくなる)というものでした。その後の検討を経て、2015年のWHO総会ではグローバル・アクションプランが発表されました。これは人だけではなく動物や環境の観点も盛り込んだ、いわゆる”One Health”の視点が強調されていることが大きな特徴です。WHOは加盟各国が2年以内にそれぞれのアクションプランを作成し薬剤耐性菌対策に取り組むよう求めました。この年からWHOが中心となった世界抗菌薬啓発週間のキャンペーンも始まりました。毎年11月18日を含んだ週が啓発週間となります。

1995年
米国疾病管理予防センター(CDC)による抗菌薬適正使用を訴えるキャンペーンを開始
2008年
欧州疾病予防管理センター(ECDC)は毎年11月8日を欧州抗菌薬啓発デーと定める
2011年
WHO世界保健デーのテーマに「薬剤耐性菌対策」
2015年
WHO総会で薬剤耐性対策グローバル・アクションプランを発表
WHOは毎年11月8日を含む1週間を世界抗菌薬啓発週間と定める
2016年
厚生労働省がAMR対策アクションプランを発表

 WHOの求めを受け、世界的な取り組みが必要との共通認識のもと、多くの国で薬剤耐性対策アクションプランが作られています。主要国首脳会議いわゆるG7の会合でも主要議題とされるようになりました。薬剤耐性菌は人類への脅威であり、その対策は世界的な公衆衛生上の課題ととらえられているのです。

関連資料

世界保健機関(WHO)

欧州疾病予防管理センター(ECDC)

米 国

英 国

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