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AMRの院内感染対策「私たちができること」

サーベイランス

2017年9月

サーベイランス

 サーベイランスは、注意深く監視するという意味です。ここでは感染症(市中・院内)、薬剤耐性菌に関する発生状況や変化を継続的に監視する事についてお話しします。サーベイランスの目的は、監視することで感染症の動向を把握したり、対策の効果を判定したりすることです。情報を収集し、検証、分析を経て解釈を行います。解釈結果を対象者に迅速にフィードバックして対策に活かしていきます。

 日本では市中感染症サーベイランスとして感染症法に基づく感染症発症動向調査があります。例えばインフルエンザ感染症は毎年12月末に発症数が増加し、1月後半から2月初旬にピークを迎えます。流行情報がニュースに流れますと、皆さん手洗いの回数を増やし、人込みを避けるようになってきますね。また、感冒の際はインフルエンザの可能性を考え、早めの休息や隔離が可能となります。医療者も流行状況を把握することにより、ウイルス疾患の可能性を十分に考慮した診察が行えます。結果、不必要な検査や抗菌薬使用の削減につながります。

 院内感染症サーベイランスの対象として、しばしば手術部位感染症と医療器具関連感染症が選ばれます。早期に院内感染を検知することで、速やかな対応が可能となり、原因究明と改善、アウトブレイクの予防へとつながります。

 全国で行われている薬剤耐性菌サーベイランスとして院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)があります。全国の医療施設から情報を収集しており、各病院はアウトブレイクの検知、院内感染対策の効果が確認できます。また、都道府県の還元情報として、主要細菌の薬剤感受性を見ることができるため、地域の特徴を把握し、抗菌薬の初期治療の参考になります。

 サーベイランスは客観的な情報を元に対策を立てる上で重要な情報となります。これらを継時的に繰り返すことによって対策の評価も可能となるのです。

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